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ボラティリティ非常識トレード

最近ボラティリティについて疑問に思う事があり少し調べていたので備忘録として残しておきます。

ボラティリティはトレンドではなく変動の大きさをみるものである。

ボラティリティは日々の変動率の標準偏差、ばらつきを見ている。
従ってトレンドを形成している時はボラティリティが低くなる。
従ってボラティリティが低くても結果的に相場大きく動いている事もある。
従って毎日1%下落し続けるよりも3%の上下を繰り返すほうがボラティリティが大きくなる。

オプション価格の計算に使われているボラティリティと原資産のボラティリティはまったく別物である。

オプションの計算に使われるブラックショールズでは原資産のボラティリティは使われていない。
ブラックショールズは株価はブラウン運動をし、正規分布を描くと考えているようだ。
ブラウン運動はいわばジグザグを描き、株価が上下動を繰り返せばボラは上昇することになる。
株価は正規分布通りにはなっておらず、正規分布より両端3σ超の部分が多い。
株価が大きく下落するとボラが高くなる、という場合のボラティリティはインプライドボラティリティの事を言っている。
IVが高いからオプション価格が高いとも、オプション価格が高いからIVが高いとも言える。

標準偏差から株価のボラティリティの性質が見えてくる。

株価が大きく下落しても原資産のボラティリティは正規分布から逸脱していないことも多い。
ボラは上昇しても必ず下落すると言われるがそれは相対的なものである。
ボラが一時的に上昇しても下落する傾向にあるのは標準偏差の性質からいって当然のことである。
ボラが急激に上昇する場合は相場が下落している時が多いが、早晩ボラが下落するからと言って必ずしも株価が上昇するわけではない。

ボリンジャーバンドとボラティリティ

ボリンジャーバンドも標準偏差を使っているのでいわばボラティリティを視覚的に見る事ができる指標である。
ボリンジャーバンドの2σを超えると買われ過ぎ、或いは売られ過ぎなどの目安と言われるがこれはまったく間違いである。
ボリンジャーバンドのプラス2σに到達した、或いはその範囲内にあるからと言って買われ過ぎということは必ずしも言えない。
統計上プラス2σの確率が15%もない、ということであり、それまでの相場で過去プラス2σがまったくなければこれからプラス2σの範囲内で上がり続けてもまったくおかしくない。
また、次の日からプラス1σの範囲内の動きが続いて相場は少しずつでも上がり続けるかもしれな。そうなるとトレンドを形成し、トレンドが形成されたとなるとボラは低くなる。ボラが低くなればボリンジャーバンドは狭まり、プラス2σ付近或いはそれを超え続けることになる。また、相場が上がらず、或いは下がらず停滞すれば同じようにボリンジャーバンドの幅は狭まる。
ボリンジャーバンドは株価の平均値から現在の株価が正規分布でどの位置にあるのか見るものであるが、株価の標準偏差はあくまで変動率(騰落率)であって株価そのものではない。

ボラティリティはトレンドを見るものではなくあくまで変動の大きさ、株価の上下動を見るものである。
だとするならば株価自体がプラス2σの位置にあるという情報は本来ほとんど意味をなさないものである。

株価が正規分布通りにならないからと言って正規分布を使わないのは勿体ない

他方、株価がある程度正規分布どおりに動くと仮定すると、年間30%弱は1σ超2σの範囲内にあることになる。
そうなると、過去25日では1σ超2σの範囲内には5日から6日あっても不思議ではない。
逆に言えば過去25日以内で1日もない場合はそろそろ2σに該当する変動があってもおかしくはないことになる。

ボラティリティが高いか低いかは相対的なものである

ボラティリティは株価上下動を繰り返すことによって上昇する。
試行回数が多いほど正規分布通りになりやすい。
この事からすればボラティリティが高い状態、例えばマイナス3σの状態は続かない、と言えるのでそういう意味では必ず下がるとも言える。
しかしながら、ボラティリティがそもそも低い状態から上昇した場合は必ずしもそうとは言えず上がったら必ず下がると言えるのはあくまで相対的なものと言える。
ボラティリティ自体が低い年と高い年があることからも短期的中期的には高値で推移する場合もある。
逆に言えば低くなったボラティリティはいずれ必ず高くなるとも言える。

ボラティリティをトレードに生かせるのか?

ボラが急上昇したら問答無用でオプションは売った方がいいのか?

ボラが上昇した=相場が急激に下落した場合
上がったボラは必ず下がる理論から言えば、ボラを売ることになる。
ボリンジャーバンド的に言えば売られ過ぎているから相場は反発するということになるが、これまで見てきたようにまったくの間違いであると言える。

ボラティリティの高い低いは相対的なものである。
ボリンジャーバンドは短期的ボラを見ている。
ボラティリティは変動率のバラつきである。
トレンドを形成するとボラティリティは低くなる。

ボラが高い、と言っているのは通常IVのことである

このような観点からすればボラが急激に上昇し、ボリンジャーバンドのマイナス2σを突き抜けたとしても無条件でボラを売る、或いは反発にかけて原資産を買うのは危険な事が分かる。
とは言え、通常ボラを売ると言われる場合のボラティリティは原資産ではなく、オプションのインプライドボラティリティを言っているのであり、この場合明らかに原資産のボラティリティより高い(数倍)ときはやはりボラを売る=オプションを売る事には優位性がある。

ボラティリティだけで判断しない

従って、ボラティリティを売買に生かすにはそのボラティリティの基準はなんなのか?日経平均オプションであればIVと日経平均そのものボラティリティの過去の状況や短期的な状況を考慮に入れる必要がある。

例えばIVは急上昇しても日経平均そのもののボラティリティはさほど上がっていない場合もある。
この場合はIVが上昇しているのだからこれからボラも上がると考えるのか、IVの上昇は一時的なものと考えるか。

ボラティリティ=標準偏差が概ね正規分布のような確率で動くとすると、ボラティリティが上昇したから必ず下がるとも言えず、また相場の急落時のボラ上昇からのボラ下落であったとしても必ずしも相場が上昇するとも言えない。

確実に言えることはボラティリティが上昇し続ける事はなく、また、下落し続ける事もない。
ボラティリティが安定しているからといって相場大きく変動していないとも言えない。
ボラティリティはあくまで変動率のバラつきであり、トレンドを形成するときほどボラが低くなる(特に上昇トレンド)。

一般的なボラティリティ売買戦略

ということは相場が急落しボラが上昇したときにとる戦略しては

ボラの低下を狙い、オプションを売りつつ先物売りでのヘッジが考えられる

単純にオプションを売ってしまうと相場が更に大きく下落した場合ボラは下がらず逆にボラが上がってしまうリスクがあるため先物売りでデルタヘッジをするわけだがこの場合、
相場が急激な反発をしたらボラティリティはあまり下がらず先物売りが大きく棄損、オプション売りもボラが下がらずあまり減価しないリスクがある。

出来るだけリスクを減らす為に正規分布を利用してみる

従ってボラを売りたい場合は過去の原資産の騰落率を考慮にいれ、下落率マイナス2σ以上になった日がまったくないような場合はボラを売るのは控えた方がよい。
逆に正規分布に当てはめてみて既にマイナス2σ3σ以上の下落日が多くある場合はこれ以上大きく下落する確率が少ない(既にボラティリティの基準自体が上がっている)為ボラを売ることもやぶさかではない。

標準偏差と株価における正規分布によればむしろボラを買う戦略

しかしながら、ボラティリティの性質や正規分布などの統計からすれば、ボラを売るのを控えた方がよい場合はむしろボラを買った方が(オプションを買う)ローリスクでハイリターンが見込め、かつその確率もかなり高いことが分かる。

日経平均株価は正規分布通りになっていないとは?

ここで、株価は正規分布通りになっていないことが重要な意味を帯びてくる。
過去の日経平均の統計では※数値引用http://majo44.sakura.ne.jp/etc/special/13.html
標準偏差以内の含有率が約76.6%

標準偏差2倍以内の含有率が約95.8%

標準偏差3倍以内が98.4%

しかし、正規分布表は以下のようになっています。

平均値から標準偏差±1倍以内の含有率67.8%
平均値から標準偏差±2倍以内の含有率95.3%
平均値から標準偏差±3倍以内の含有率99.7%

日経平均株価は正規分布より大きく動くときが多い

株価は正規分布通りにならないとは言え、標準偏差σ2以内の含有率は両者ともほぼ変わりません。違うのはσ3以上の部分です。
つまり正規分布に従うとσ3を超えるのわずか0.3%ですが実際の日経平均は1.6%もあることになります。
1.6%と言えば年間の株式市場の営業日数で換算すると4日程度はあることになります。ボラが20%だとすると一日のボラが1.3%程度にはなり、σ3を超えるとなると1日で4%動く日が年間4日もあることになります。
日経平均株価25000円だと一日で1000円動く日が年間4日程度ある計算になります。

ボラティリティが上昇した場合にボラを買う選択

このように見てくると、ボラティリティが上昇したからと言って無条件に売るよりは、ボラティリティを買うという選択肢がかなり魅力的に見えてきます。
勿論、暴落暴騰はある日突然やってきたりするので儲かるか儲からないかは神のみぞ知る。

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