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VIX先物のカレンダースプレッド戦略には注意が必要

期近を売って期先を買うカレンダースプレッドはなぜ利益がでるのか

VIX先物は通常1限月(期近)のほうが2限月(期先)よりも低い値で推移します。
また、1限月(期近)のほうが2限月(期先)よりも下落率が大きいです。

VIX先物は通常サヤがある程度開く

つまり、サヤが一定程度常に開いている状態です。この事から、サヤが縮小した場合、鞘が開くことを想定したポジションをとればサヤが取れる、利益になる可能性が高いことを思いつきます。
確かに期近のほうが下落率は高いです。これは1か月の先物を対象としたSVXYと中期先物を対象としたZIVなどとの過去のパフォーマンスの違いにも表れていますし、データをとればすぐに分かります。

期先を買っているのでヘッジにもなるカレンダースプレッド

従ってサヤが縮小している時、期近と期先の価格差があまりない時などに期近を売って期先を買うポジションをとれば、いずれサヤが開いた時は、期近の下落幅のほうが大きく、VIXが下落して期先買いの損失を上回る期近売りの利益が出てトータルでプラスになります。しかも、VIXが上昇した場合は期先を買っているのでヘッジにもなります。

VIX上昇時は期近の方が上昇幅が大きくなる点に注意

しかし、VIX先物の場合はVIXが上昇する時は期間の短いもののほうが先に上昇し始め、上昇幅が大きくなります。この事もVXST(9日)が真っ先に急上昇することからも分かります。

VIX急騰時は期近が高いバックワーデーションになる

もしも、VIXが上昇を続け期近が高いバックワーデーションの状態が拡大すると損失が膨らみます。実はこのような場合、期先買いのヘッジもあまり役に立たなくなってしまいます。

VIXショック時のサヤ推移に注意

参考にVIXショック時のサヤの推移を見てみましょう。

参考:2018年2月VIXショック前後のVIX先物のサヤ推移

3月限 2月限 3月-2月
2018/1/17 12.57 12.1 0.47 3.88%
2018/1/18 12.76 12.09 0.67 5.54%
2018/1/19 12.54 11.93 0.61 5.11%
2018/1/22 12.49 11.85 0.64 5.40%
2018/1/23 12.73 12 0.73 6.08%
2018/1/24 12.9 12.25 0.65 5.31%
2018/1/25 13.04 12.41 0.63 5.08%
2018/1/26 13.05 12.3 0.75 6.10%
2018/1/29 13.85 13.55 0.3 2.21%
2018/1/30 14.05 13.95 0.1 0.72%
2018/1/31 13.67 13.45 0.22 1.64%
2018/2/1 13.42 13.28 0.14 1.05%
2018/2/2 14.98 15.63 -0.65 -4.16%
2018/2/5 27.95 33.2 -5.25 -15.81%
2018/2/6 21 23.9 -2.9 -12.13%
2018/2/7 19.9 23.45 -3.55 -15.14%
2018/2/8 21.6 28.05 -6.45 -22.99%
2018/2/9 20.4 27.15 -6.75 -24.86%
2018/2/12 19.85 25.82 -5.97 -23.12%
2018/2/13 19.84 25.23 -5.39 -21.36%
2018/2/14 17.85 25.35 -7.5 -29.59%

2月5日には逆ザヤが5.25まで開く

1月29日のサヤが0.3に縮小したのでここで2月限を13.55で売り、3月限を13.85で買ったとします。
2月5日には逆ザヤ=バックワーデーションが5.25まで開いています。
2月限の損失は-19.65、3月限の利益が14.1となりトータルはマイナス5.25です。
確かに3月限を買っている分単純に2月限を売るよりはメリットはありますが、いずれサヤが元に戻るだろうと思っていると、さらにその後サヤが広がっています。

建て玉ごとのポジションでみると大幅損失でロスカット

トータルで見ると5.25しかない損失ですが2月限の損失は-19.65と売値をはるかに超えているので証拠金などによってはロスカットされている可能性もあります。
いずれサヤが戻るだろうと思いポジションを引っ張っていても、その後更にサヤが開いていますし、片方がロスカットされた状態で方張りをするのも危険なので結局のところロスカットされてしまうとポジション全体をクローズしたほうがよくなります。

サヤが少ない時は上昇の可能性がある

そうなると、期近売りの期先買いのスプレッドを組まずに、単純に売りだけ建てて逆指値を置いておいたほうが結果として効率がよくなることもあります。これはサヤが縮小、或いは逆ザヤになるのがVIXが上昇する時に多く、サヤが開くのがVIXが下落している時に多いことに理由があり、更にVIXの上昇が急だと期先の上昇より期近の上昇の方が大きくなるまた裂き状態になってしまうためです。
VIXの場合一番危険なのはVIXが急騰した場合にどこまで上昇するか分からない点でしょう。

逆に言えば上昇しても下落は見えていますので、その一時的に急騰する時にいかに回避できるかにかかっています。
証拠金をリーマンショックに耐えられるだけ積んでおくというやり方もありますが、リーマンショックを超えない保証はありません。
もし、この場合リーマンショック超えのVIX急騰に襲われた場合、証拠金がごっそりと持って行かれてそれこそVIXインバースの早期償還のようなダメージを受けてしまうかもしれません。
逆にストップを細かく入れすぎると、ロスカットばかりされて損失がどんどん膨らむかもしれません。

なかなか一筋縄ではいきませんね。

公開日:
最終更新日:2018/06/02